素晴らしい言葉の「おまもり」と出会える。これがあるから読書は最高です。
音楽とことば あの人はどうやって歌詞を書いているのか (SPACE SHOWER BOOks)
J-POPアーティスト13名の作詞にまつわるロングインタビュー集です。
アーティストとよばれる人種はどのように歌詞と向き合っているのか。
音楽や言葉に興味がある人にオススメの一冊です。
向井秀徳氏(ZAZEN BOYS)や故・志村正彦氏(フジファブリック)の音楽が好きでそれ目当てで購入したんですが、最も印象に残ったのは原田郁子氏(クラムボン)が「みんな」という言葉の解釈について語ったこの部分でした。
”全員でいっしょに踊ったり手拍子をするような楽しみかたもあるけど、歌を聴きながら、ひとりひとりが、さらにひとりひとりになる楽しみかたがあってもいい。それをもし「みんな」って呼ぶんだとしたら、わたしは、凄く未来があるなと思ったわけ。”
「音楽とことば あの人はどうやって歌詞を書いているのか」p329
「ひとりひとり」になることが「みんな」である。
この解釈によって、なんだか救われたような気持ちになりました。
そして、この一文が自分にとっての「おまもり」になりそうな気がします。
「みんな」という呪縛
「みんな言ってる」
「みんな頑張ってる」
「みんな仲良く」
いやー。きついっす。
どうも昔から「みんな」という言葉をポジティブにとらえられません。
響きはやわらかいのに、ニコニコしながら同調圧力をかけてくるあの感じ。
言葉自体に罪は無いのですが、どんな言葉を足しても良い印象になりません。
これまで「みんな」という言葉からの得体のしれない呪縛があったわけですが、原田郁子的「みんな」がそれを解いてくれました。
アーティストってすごいなぁ。。(恍惚)
ちなみに原田郁子氏がボーカルをつとめるバンド「クラムボン」の曲の中ではこれが一番好きです。まあYMOのカヴァーなんですが、カッコイイので問題なしとしましょう。
「おまもり」を探そう
呪縛を解いてくれたり。
自分を見失いそうな瞬間にふと思い出したり。
他人の目から守ってくれたり。
読書をしてると、そんな「おまもり」のような言葉と出会えます。
出会えるかは運しだいですが、たくさん読んで確率アップさせたいと思います。
本日はこれにて。
ありがとうございました。