人にものを教える場面で気を付けていることがあります。
「それ言ったよね?」
という言葉を封印することです。
理由としては合理的ではないというところにつきますが、そこんとこ詳しく説明していきます。
①「わからない」感覚は人によって違う
人は悲しいくらい忘れていく生き物で「わからなかった頃の自分」を忘れがちです。特に優秀で物覚えが良い人ほどその傾向があります。
人は何度も同じようなことで同じ間違いをします。
「なんで、こんなのがわからないの?」
というじれったい気持ちはわかりますが、その基準はやっぱり自分だけのもの。
相手が理解していないという事実がある以上は、それを受け止めるしかありません。
②伝え方がマズイ可能性あり
相手に伝わらない。これは受け手だけの問題ではありません。
伝え方に問題がある可能性も考えられます。
相手が知らない言葉を使ったりしてませんか?
前提となる情報をきちんと伝えていますか?
何度も聞かれるということは教える側の伝え方に問題があるかもしれません。
いわゆる教育というのは教える側が試されているのです。
仕事内容をわかりやすく相手に伝えられるか?
仕事のコツを言語化できるか?
受け手の反応を読み取れるか?
最初のうちは自分のことだけ考えていてもいいでしょうが、仕事は相手がいて成り立つものです。これらを考えることは自分のレベルを上げるチャンスです。手を替え品を替え何度でも教えてあげましょう。
③言ってないことも「言ったよね?」
これは意外と多いパターンです。
これが一回起きると教わる側はその人に違和感を覚え、それが続くと不信感になってしまいます。
自分が誰に何回、何を言ったか完璧に把握してますか?
把握しなくていいんです。何回言ってもいいんだから。
④報告されにくい上司になってしまう
仕事をしていく上で気軽に質問ができる環境は大事です。
質問するたびに、ネチネチと嫌味を言われるのは辛いですよね。
私もそういった経験があります。
そうなると上司との関係だけでエネルギーを使ってしまうので、肝心の仕事もイマイチになります。 部下が仕事に集中できるようにするのが上司の仕事でもあります。
それに言いやすい、聞きやすい関係は大事です。
「なんで報告しなかった?」
上司としてはこれを言ったら負けです。
あなたが「報告されない上司」だったというだけのことです。
⑤言って治るなら苦労しない
人に期待しすぎな人が多い気がします。
「それ言ったよね?」は事実かもしれませんが、分かるまで教えるのが仕事です。言ってる暇があったら教えてあげるのが合理的です。
指導において、短所をいたずらに指摘するのは悪手です。
「それ言ったよね?」と言ったところでなんにもメリットがないのです。
本日はこれにて。
ありがとうございました。