こんにちは。
キウイズムです。
今日はセイバーとドラゴンズの2回目ということで守備の指標であるUZR(Ultimate Zone Rating) アルティメット・ゾーン・レイティングで2017シーズンのドラゴンズを振り返っていきましょう。
最近は野球ファンの間でも少しずつ浸透してきている指標です。
従来の守備の評価は 守備率=(刺殺+捕殺)÷(刺殺+捕殺+失策)
くらいしかなく失策の少なさ=守備のうまさ
として認識されてきました。
しかし
「守備範囲が広いからこそエラーになる。」
「失策が少ないのは消極的な守備だから。」
という見方もあり
「どれだけアウトをとったか・失点を防いだか評価しよう。」
という観点で指標が発達してきました。
今回紹介するUZRは一言で言うと「同じポジションの選手とくらべて同じような打球をどれだけアウトにして失点を防いだか」という指標です。UZR=15でゴールデングラブ級なんていう風に言われていますがこれは、同ポジションの平均的選手と比べて15点分の失点を守備で防いでいるということになります。
UZRの算出方法
詳しい算出方法は
アルティメット・ゾーン・レーティング - Wikipedia
こことか
1.02 - Essence of Baseball | DELTA Inc.
こことかで見れます。(他力本願)
セイバーの指標は計算が複雑なものが多く、あまりそこを詳しく説明しすぎるととっつきにくくなるので、ざっくり説明します。
~ナイスプレイ編~
「ナイスキャッチ!」
「遥輝、今の打球はスピード、飛んだところからして全体の20%しかアウトにできない打球だ。すごいよ。」
「アウトの確率100%にしたから20%との差で0.8ポイントアップだ。」
~バッドプレイ編~
「しまった。。」
「なんで今のがアウトにできへんねん、80%のやつはアウトにしてるで。」
「アウトの確率0%にしたから80%との差で0.8ポイントダウンやで。」
*画像はイメージです。
これをシーズン通して繰り返します。実際は上記のポイントに得点価値をかけ算することによって防いだ失点を算出します。要は難しい打球をアウトにすればポイントがプラスになるということです。
UZR評価上でのポイント
このように新たな守備の指標として取り上げられるUZRですが、ポイントとしては下記のとおりです。絶対的な指標ではないのでご利用は計画的に。
①同じポジション同士の相対的評価となるため単年での評価は難しい。
②守備範囲が大きく関与する(投手、捕手は評価対象外)
③率ではなく積み重ね式なので守備機会が多いほど高くなりやすい。
UZRでここ3年のドラゴンズを振り返る
というわけでポイント①~③を踏まえ下記の条件でドラゴンズのUZRを振り返っていきます。
①2015~2017年の3年間のUZR
②投手、捕手以外のポジションが対象
③守備機会100イニング以上の選手が対象
データソースはこちらです。
http://1point02.jp/op/index.aspx
内野手編
セカンド、サードのポジション争いがチーム力向上のポイント
ポジションで見ていくと急先鋒の課題としてはセカンドのレギュラーでしょう。セ・リーグではカープの菊池選手、ヤクルトの山田選手、タイガース(来季よりベイスターズ)の大和選手と名手が揃っているポジションなので数値も上がりにくいですがそれだけ他球団と差をつけられている点でもあります。来季から荒木選手がコーチ兼任とのことなのでセカンドの底上げを期待したい。また選手個人で見ていくと福田選手、高橋選手など、どちらかというと打撃で期待されている若手選手の数値が悪くないというのは朗報です。堂上選手、亀澤選手は複数ポジションを守りながら大きなマイナスがないという点でチームで重宝される存在ですが、便利屋でとどまらないようなアピールが必要ですね。打撃成績も含めて来シーズンのスタートで固定なのはファースト:ビシエド選手、ショート:京田選手と言えそうですが、セカンド、サードの守備力に関してチーム内で大きな差がついていないためそこのポジション争いがチーム力向上の鍵を握るんじゃないでしょうか。
外野手編
大島選手の守備面に不安要素あり、レフト、ライトは概ね安定
外野の広いナゴヤドームでは守備範囲が深く関係するUZRが重要な指標となります。2017年唯一のリーグトップUZRを記録したレフトの藤井選手、ここ3年安定した守備を記録したライトの平田選手と比べ、センター大島選手のここ3年での下落が特に目立ちますね。2015年リーグトップからの2017年マイナスなので来年この数値がどう動くか注目していきたいと思います。来年もマイナスになるようであればコンバートや後継者探しということも視野に入れていく必要がありますね。
若手選手にとってはセカンド、センターが狙い目か
内野手編でも述べたようにセカンドの守備はどんぐりーず状態で打撃面でも突出している選手がいないため守備で光るものが見せられればレギュラーを狙えるんじゃないでしょうか。個人的には堂上選手がセカンドに専念すればかなり上手くなる気がします。ショートで2016年あれだけやれていたので。
外野手は大島選手の守備でのパフォーマンスがこのまま下り坂に入っていくようでしたらかつての英智選手のように守備に長けた選手が一芸でレギュラーを奪取することも可能なんじゃないでしょうか。
優勝するチームはUZRが高い
チームとしてのここ3年でのUZRの推移はこのようになっています。
過去3年UZRチーム順位
2015年
1位 東京ヤクルト 40.2
4位 中日 -6.5
2016年
1位 広島東洋 30.4
2位 中日 20.2
2017年
1位 広島東洋 28.5
3位 中日 15.5
ここ3年は優勝してるチームがUZRが1位です。守備だけでは勝てませんが強いチームは守備が良いです。ちなみに2014年はドラゴンズが75.8でぶっちぎりの1位でした。
つまり
2014年は中日優勝@(・●・)@
では今日はこの辺で。
ありがとうございました。
セイバーとドラゴンズvol.3はこちら